退去時の敷金償却は耐用年数で決まる

敷金は、退去時のハウスクリーニングや修繕費として使われるお金で、もし敷金以上の金額が発生した場合は、足りない分を借主が追加で負担しなければなりません。建物と付随する設備は経年劣化により価値が下がっていきますので、残りの耐用年数によって支払額が変わります。今回は、敷金の耐用年数にまつわる制度に関して考えていきたいと思います。

建物の部材・設備別の耐用年数

建物は常に老朽化が進むため、普通に暮らしている分には問題ありませんが、万が一破損した場合は、上記に記したように修繕に掛かる費用が耐用年数で変わります。

耐用年数は国税庁が決めており、
木造住宅:22年
鉄筋コンクリート:47年
軽量鉄構造:19年
重量鉄構造:34年

フローリングの張替・ドア・石膏ボードは建物の耐用年数から求められます。

設備・機器の耐用年数は、

耐用年数5年の設備:流し台
耐用年数6年の設備:冷房暖房器具・壁紙・カーペット・ガス機器・エアコン・インターフォン
耐用年数8年の設備:木製の家具(タンス・本棚)・網戸
耐用年数15年の設備:金属製の家具・トイレ・洗面台給排水設備
耐用年数のない設備:襖紙・畳表・鍵
というように設定されています。

修繕費負担の行方

修繕費の支払い義務の行方は、基本的に経年劣化かどうかで判断されます。壁の日照による日焼けや自然消耗、画鋲の跡や電化製品による焼けは基本的に経年変化通常損耗と見なされオーナー負担となりますが、タバコのヤニ汚れやキッチンの油汚れといった汚れは入居者側の負担となります。

汚れた畳の交換は汚損した枚数のみ入居者負担で、すべての畳を取り替える場合は残りの分をオーナーが負担します。しかし、生活スタイルの違いにより通常使用と故意・過失の線引きは曖昧になるため、契約時にクリーニング費用負担に関する詳細を記載している場合が多いです。

上記にも触れましたが、耐用年数が適用されない設備に関して、消耗品の交換は貸主の負担、ガラスや鍵の破損や紛失といった不注意による過失には借主の全額負担といった措置が取られます。

敷金償却条項

敷金は基本ハウスクリーニング代を差し引いた額が戻ってくるように思われますが、部屋をきれいに使っていた場合も、敷金償却条項という修理が必要ない場合でも一定額控除できる制度により、敷金が帰って来ないことは多いです。

ただし、敷金があまりにも高額で妥当とは言えない場合は、民事裁判などで解決できる可能性があります。

まとめ

マンション・アパートの退去費用は大家によって違います。質の悪い貸主の場合は、入居前よりもグレードアップした設備に変えるバリューアップ工事のような、原状回復以上の法外な費用を請求してくることもあります。そのような状況を回避するためにも、契約書の入念な確認と、耐用年数による修繕費の算出方法を覚えておくとよいでしょう。