敷金から差引かれた修繕費は取り戻すことができる?

もし賃貸住宅を退去する時に、納得できないほどの高額な修繕費を請求され、本来であれば返還されるはずの敷金が戻ってこないというケースも中にはあるようです。

このような敷金返還や原状回復義務に関するトラブルは、国民生活センターなどにも年間1万3千件を超える件数で相談が寄せられるほど、多く発生しています。

では、賃貸住宅を退去する時、不当に高額な修繕費を支払わないため、何に注意しておけばよいのでしょう。

請求された費用は本当に借主が負担するべきもの?

もし既に修繕費を請求され、敷金を返還してもらえないことに悩んでいる場合には、かかった修繕費を請求されている事実を主張できるようにしなければいけません。

物件の修繕費として請求された部分のうち、本当に借主である自分が補わなければならない費用なのか確認しておきましょう。

借主が負担する修繕費は、部屋を借りた後に通常使用を超える使い方でできた汚れや損傷で、貸主が負担する修繕費は、借主が通常使っていたことによる消耗や経年劣化の部分です。

□国土交通省のガイドラインを参考に

具体的にどこからどこまで負担すべきなのかは、国土交通省が公表しているガイドラインからでも確認できます。あくまでも原則的な負担部分が記載されているので、実際に締結した賃貸借契約の内容と照らし合わせながら確認しておきましょう。

国土交通省 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html

国民生活センターに相談を

敷金から差引かれた修繕費の請求書を確認して、本来なら貸主が負担しなければならない費用が含まれていないかチェックしてみてください。

また、賃貸借契約を結ぶ時には、退去の時の原状回復義務に関して説明があったはずです。この原状回復義務の取り決めは物件ごとに異なるので、修繕費の分担について確認しておくことが大切になります。

そもそも敷金は家賃滞納や物件の損傷などに対する担保の性質を持つお金です。借主に何の落ち度もないのなら、退去時に全て返還されます。

それなのに貸主が負担するべき修繕費まで請求されている場合には、国民生活センターに相談して現状を伝え、どこまで責任を負うことになるのか判断してもらいましょう。

内容証明郵便と少額訴訟が必要になるケースもある

もし国民生活センターに相談しても解決できない場合は、敷金返還請求書を内容証明郵便で貸主に対して送り、敷金を返還してもらうように要求しましょう。内容証明郵便は、通知した事実が公的に証明されるので、万一訴訟に発展した場合の証拠になります。

敷金返還請求書を送っても返金がされないなら少額訴訟を起こすことになりますが、通常の訴訟より内容が簡単なので、判決は2か月程度で出ることがほとんどです。勝訴すれば強制執行により敷金を取り戻すことができます。