敷金と礼金を支払った時の仕訳で使用する勘定科目は?

賃貸で店舗や事務所などを借りた時、敷金や礼金などを初期費用として支払うことになりますが、どの勘定科目で処理をすればよいのか迷うこともあるようです。

敷金は一旦貸主に預けるお金

敷金とは借主が家賃を滞納した時、または借りている部屋を壊してしまった時などに備え、契約時に事前に貸主が預かっておくお金のことです。

もし、退去時に滞納している家賃がない場合や、借りている部屋に破損などがない場合は、借主に返還される性質のものとなっています。

ただ、いくら返還しなければならないという法律上の規定はなく、中には「敷引き」という敷金が全額返還されない契約方法もあるため注意が必要です。

礼金は退去時に返還されない

礼金は、部屋を貸してくれたお礼として、借主から貸主に対し支払うお金ですので、退去時にどれだけ借りていた部屋をキレイに使っていたとしても返還されません。

賃貸借契約を締結した時に使う勘定科目

借主からみた場合における、賃貸借契約を締結した時の仕訳と使用する勘定科目について確認しておきましょう。

ただし、賃貸借契約が事務所の敷金が返還される内容なのか、それとも返還されない内容なのかによって使用する勘定科目は異なりますので、その点を踏まえて確認が必要です。

□敷金が返還される契約の場合

賃貸借契約を締結した時には、敷金を差し入れることになるので、使用する勘定科目は資産のうち「敷金・保証金」です。

借方:敷金・保証金   貸方:現金(預金)

契約が終了した時には、修復に必要な費用を指しい引いた額が返還されますので、修理代は費用である「修繕費」を使います。

貸方は「敷金・保証金」を取り崩して処理することになりますが、敷金・保証金から修繕費を差し引いた金額が現金として入金されます。

借方:修繕費      貸方:敷金・保証金
現金(預金)

□敷金が返還されない契約の場合

契約を締結する時には敷金は返還されませんので、資産である「敷金・保証金」を勘定科目として使うことはできません。

償却されることになるので、同じく資産である「長期前払費用」で計上します。

金額は20万円未満の場合、税法上、一括で費用である「支払手数料」を使って処理してもよいとされています。

借方:長期前払費用 貸方:現金(預金)

期末には、長期前払費用のうち、償却期間経過分を費用である「支払手数料」に振り替えます。ただし、前払費用に振り替えるのは1年以内に償却期間が終了する金額です。

長期前払費用は、契約期間が5年以上あれば5年、5年未満ならその年数の契約期間で償却を行います。

なお、実務上、2年以上の契約期間はないはずなので、償却期間は2年と考えておいてよいでしょう。

借方:支払手数料   貸方:長期前払費用
前払費用       長期前払費用

契約が終了した時には、資産として計上した長期前払費用は償却されていることになるので残高はなくなります。もし破損などで修繕の責任が生じた場合は、「修繕費」を支払い契約は終了します。

借方:修繕費     貸方:現金(預金)

礼金の仕訳・使用する勘定科目について

礼金が20万円未満の場合には、返還されない性質の支払いなので費用である「支払手数料」で計上します。

借方:支払手数料   貸方:現金(預金)

礼金が20万円以上の場合には、税務上、繰延資産に含まれるため、「長期前払費用」に計上したのち、契約期間で取り崩していきます。

そのため、契約締結時の仕訳は

借方:長期前払費用   貸方:現金(預金)

期末には、長期前払費用のうち、償却期間経過分を「支払手数料」へ振り替えますが、償却期間が1年以内に終了する金額を「前払費用」への振り替えを行うます。

長期前払費用は、5年以上の契約期間の場合は5年、5年未満ならその契約期間で償却します。こちらも敷金同様、償却期間は2年だと考えておいて良いでしょう。

借方:支払手数料   貸方:長期前払費用
前払費用       長期前払費用