不動産を賃貸借した時の敷金償却の会計処理について

不動産を賃貸借した場合の敷金についての会計処理は、償却や敷引きなどの定めがある場合、方法が異なります。

間違った処理を行わないためにも、どのような勘定科目を用いるのか、そして仕訳の立て方など、会計処理について確認しておきましょう。

敷金を預かった時

まず、敷金とは、万一、借主が賃料を滞納した場合や、部屋を破損させた場合などに備え、担保として貸主が一時的に預かっておくお金です。

そのため、会計処理上の勘定科目は、「敷金」か「差入保証金」を基本的に使用します。

退去時に返還されない敷金が発生した場合

借主が退去する際、特に何も問題がない場合は、貸主から借主に敷金を返還することになります。

もし、退去時に返還されなかった費用が出た場合には、「修繕費」、または「雑損失」を用いて必要経費として計上します。

契約が敷引きになっている場合

契約内容によって、退去時に敷金の一部が償却される定めになっている場合もあります。
あらかじめ、敷金のうち、一定額を返還しない契約である場合、この返還されない敷金や保証金がある契約を「敷引き」や「解約引き」といいます。

この場合、「長期前払費用」や「権利金」などの勘定科目で計上します。

具体的な敷金の仕訳例

「敷金」または「保証金」は、賃借対照表では「資産の部」に該当する勘定科目で、「投資その他の資産」として表示されます。

それでは、まず敷金を支払った場合の仕訳を確認してみましょう。

①事務所を借りるために敷金として80万円を現金で支払ったとします。この場合、計上するのは支払いを行った時ですが、仕訳は次のとおりです。

借方:敷金80万円  貸方:現金80万円

②退去時に、原状回復費用として、支払った敷金80万円のうち、20万円が一部修繕費などに充てられるため、差し引かれた上で普通預金に振り込まれたとします。その場合の仕訳は次のとおりです。

借方:普通預金60万円  貸方:敷金80万円
修繕費 20万円

③普通預金から敷金100万円を支払い、退去時にはその40%分が償却される契約になっているとします。その場合の仕訳は次のとおりです。

なお、敷金から償却される金額が20万円未満であれば、複数年で償却するのではなく、「支払手数料」として一括で損金計上することもできます。

借方:敷金60万円      貸方:普通預金100万円
長期前払費用40万円

④敷金のうち、契約書内に控除金額の記載がある場合は、その金額は「建物賃貸借権利金」として扱われることになり、5年間均等償却することができます。

仮に敷金100万円のうち、退去時に40%分が償却される契約になっているとしたら、5年間均等償却では次の仕訳を毎年計上していきます。

借方:敷金償却8万円  貸方:長期前払費用8万円

ポイントをおさえておけば会計処理は複雑ではない

敷金を会計上処理するのは複雑と思うかもしれませんが、重要項目を理解しておけば特に難しいことはありません。正しい処理ができるように、1つひとつ間違わないように確認しておきましょう。